桜下に見、往々にして炎舞

「なんだ?」

 音の方に目をやると、高いビルの合間から黒い煙が空に上がっていた。

「おいおい」

 その光景を呆然と眺める泉は、すぐさま駆け出したベリルに驚きつつもそのあとを追った。

 すると、バイクにまたがったベリルが泉に視線を送る。

 すかさず泉はその後ろに飛び乗り、目的の場所に急行した。