「四十九歳には見えねえな」

「よく言われる」

 しれっと返しやがると泉は眉を寄せる。

「あんた、本当に不死なのか」

「嘘を吐く利点などあるのかね」

 平然と言ってのけた。裏の世界では、もはや公然の秘密なのだろう。

 調べられる所まで調べた内容だと、二十五歳で不死になったとあった。

 つまりは二十四年前に不死になったという事だが、その経緯はなんとも不思議な巡り合わせだなと感嘆する他はない。

 広いオーストラリアでたまたま出会った少女が不死を与える力を持っていたなんて、おとぎ話より突飛だ。

 笑い話にもならない。

 こちらとしては、その運命に感謝しなければならないのだろう。

 そうでなければ、さすがの俺も五十近い奴のケツを追いかける気にはなれない──と、感慨深げにベリルを見つめた。