桜下に見、往々にして炎舞

 しかも客の半数は現役で今し方、止めに入ったのもそうだと聞かされ、無事だった自分の幸運に感謝した。

「面倒なことさせんな」

 席に着いた泉は険しい顔でコニーを見やる。

「いいじゃないこれくらい」

「こっちは探してる奴が見つからなくて苛ついてるんだ」

「あら、難しい顔してたのはそのせい?」

 それほど執着しない彼が人を探しているなんて珍しいと眉を上げた。

「名前はわかってるの?」

「偽名だろうがスロウン・レイモンドと名乗った」

「見た目は?」

「二十半ばくらいか。金髪のショートに緑の目だ。身長は百七十四か五」

「そしてとうぜん、綺麗な顔」

 言われて目を合わせる。