桜下に見、往々にして炎舞

「これを見ろよ」

 なんとなく手持ち無沙汰になっていたブランドンは、戸惑いつつも銃を仕舞って泉が示したテーブルを覗き込んだ。

「おい、これ」

 険しい眼差しで顔を上げる。

 泉はそれに無言で頷き、両手を突いて低く唸った。

「特徴も似ている」

「解るのか?」

 苦々しく発した泉に片眉を上げ、いぶかしげに尋ねる。

 ブランドンには、さっきと今の爆弾の違いも、似ているところも解らない。

「なんとなくだがな。しかしこいつは手慣れた奴じゃない。誰かのを真似た可能性もある」

 泉はそこに違和感を抱いていた。

 こういうものでも、作る人間によって特徴が現れたりする。

 倣(なら)う相手がいる場合、その特徴を無意識に取り入れることはまま、あることだ。