桜下に見、往々にして炎舞

 小型のワイヤーカッターを取り出し、なるべく音を立てないようにチェーンを切断した。

 そうして、薄暗い部屋にゆっくりと足を踏み入れる。

 どうやら男は奥の部屋にいるようだ、右に二つある扉の一つが少し開いている。

 うち一つはトイレとシャワールームに続くものだろう。

 部屋の左隅には簡素なキッチンが見える。

 掃除をしていないのか、服や雑誌やらで散らかった部屋の中央には大きめのテーブルが置かれていた。紙くずやらのなかに紛れている箱に、泉はふと眉を寄せる。

 足元を気にしつつテーブルに近づいて覗き込む。

 奥の部屋へのドアを一瞥し、気付かれないように邪魔なものを手でかき分けた。

 姿を現した箱は、先ほど解除した爆弾と同じサイズだ。

「こいつは──」

 作りかけなのか思案しているのか、配線が剥き出しで放置されている木箱をしげしげと眺める。

 そのとき、