テロリストの仕業かどうかもこれから照合していくのだろうと、ひと仕事終えた泉は未だ警官が取り囲むレストランの入り口を出た。
これ以上、自分が関わることはないはずだ。
ブランドンは、なんだかんだで優秀な刑事だと思いたい。
相手は刑事だからと連絡先を教えてしまったことに、いささか頭を抱えている。
今回は偶然、見つかってしまったが刑事の頼みは大体において断りづらい。
とはいえ、泉をこき使おうなどと考えるのはブランドンくらいのものだろう。
「あん?」
泉は、ランプを点滅させレストランの前に駐められた数台のパトカーの向こうにいる大勢の野次馬の中にふと、気になる男を見つけた。