「それで、爆弾はどこに?」

 挨拶も早々にアーロンは周囲を見回す。

 まだ二十代後半だろうか、薄めの栗色にやや黄色がかった緑の瞳が若々しい。

「あ~、そのな。いま処理中だ」

 ブランドンは、自信に満ちた青年に視線を泳がせながら親指で奥のトイレを示した。

「処理中? 一体、誰が? まさか現場で処理を?」

 アーロンの後ろにいた仲間も怪訝な表情を浮かべる。

「早くなんとかしたかったんでな」

「まさか、民間人にやらせているんじゃないでしょうね?」

 語気を荒くして奥に進もうとしたアーロンにブランドンは、これはまずいと慌てて行く手を阻んだ。

「ちょ、ちょっと待った。まあコーヒーでもどうだ」