桜下に見、往々にして炎舞

「どこだ」

「奥にある」

 ブランドンは三つある個室の一番奥を指差した。

 ひょいと覗き、汚れた壁に貼り付けられている四角い箱に泉の眉間が深いしわを刻んだ。

 いいからやれと促され、溜め息混じりにしゃがみ込んで箱を眺める。

 便器のやや上あたりに設置されている箱は木製だろうか、コンクリートの壁に粘着質のものでぴたりと貼り付けられている。

 少し押してみたものの、まったく動く気配がない。

 持ち運べるサイズだとしても、爆発する可能性がある状態で取り除くのは危険でしかない。

 これは解体する他はなさそうだ。

「なんだ?」

 無言で手を差し出されたブランドンは、いぶかしげに眉を寄せる。

「コート貸せ」

 そんなものどうするんだと首をかしげつつコートを脱いで泉に手渡す。