桜下に見、往々にして炎舞

「爆弾?」

 くそ五月蠅(うるさ)いサイレンを煩わしげに顔をしかめて聞き返す。

「そうなんだ。爆弾を仕掛けたという予告が来てだな。いま急いでそっちに向かっている」

「それで?」

「解除を頼みたい」

「一般人に何を頼んでやがる」

 ブランドンはそれに青い目を眇め、まじまじと泉を見やった。

「おまえが一般人? 冗談だろ」

「言ってくれる」

 ブランドンとは以前、ちょっとしたことで顔見知りとなり、それからは装備しているものについて多少は甘く見てくれている。