「なんだ。あん? いない?」

 情報屋のドルフに例の男の捜索を要請していたのだが、会社のリストにある傭兵にも兵士にも見あたらないらしい。

「聞き間違い? んな訳あるか」

 眉を寄せ、道の脇に車を駐める。

 ドルフの会社のデータベースは相当なものだ。

 それでも見つからないということはリストに漏れているのか。

 さすがにその系統全ての人間のリストを作成出来るほどにはなっていないのは、当然のことだろう。

 フリーの傭兵なら、自らそうと言えばその時点でそいつは傭兵になる。

 そんな輩まで把握しきれない。

 もしかすると他の情報屋のリストにはあるかもしれないが、かなりの賭けになる。

 それで見つからなかったら散財だ。