「イテテテテテ!?」

 鳥の鳴き声に意識を取り戻した途端、腹部に激しい痛みがはしり声を上げた。

 眇(すが)めた視界から木々が見え、ここはどこだと眉を寄せる。

 手足は拘束されていない。

 やはり敵という訳ではなかったらしい。

 シートに寝かされているのか直接、地面に当たっている感覚はない。

「じっとしていろ」

 少しくぐもった声に見上げると、マスク姿の男が窺うように覗き込んでいた。

「……あんた」

 どうやらここは炭坑からやや離れている、少し拓けた場所のようだ。

 まばらに立ち並ぶ木々から空が見える。