桜下に見、往々にして炎舞

 ひと通りの成果を上げれば通り名がつくことはしばしばあるが、なんとも芸のない名前がついたもんだと肩をすくめる。

 爆発物に興味を持ったのはいつ頃なのか、はっきりとは覚えていない。

 外人部隊に所属していた叔父の影響もあったのだろう。

 母親は叔父の事を酷く嫌っていて、息子から出来るだけ遠ざけようとしていた。

「戦争屋」とののしりつつも、実際は叔父がゲイだという事が原因だ。

 子を持つ母として懸念を示すのはある意味、当然かもしれないが恭一郎にはそんな事はどうでもよかった。

 母親が恐れていた結果にはなった訳だが、それが叔父のせいであるとは恭一郎は思っていない。

 元々のものだといくら母親に説明したところで理解はしてくれなかった。