桜下に見、往々にして炎舞

 中身はハンドガンにライフル、マシンガンと弾薬も数千発はありそうだ。

 予想を上回る武器の量に複雑な表情を見せながらも、荷物を見回し苦笑いを浮かべた。

「まあ、さすがにアレは無いわな」

 泉が言っているのは爆薬のことだ。

 爆薬とその周辺機器などに資金を注ぎたい泉は、かっぱらいよろしくな事をしているという訳である。

 爆破を好み、気がつけばそれに特化した傭兵となっていた。

 適切な量、確実な起爆が評価され、今では「ブラスト・ウルフ」とまで呼ばれるようになった。

 爆発物に長けた傭兵は「ブラスト・マニア」と呼ばれている。

 大体において、そういう人々は爆薬に魅せられているからだ。

 尊敬と畏怖の念を込めた俗称と言える。