桜下に見、往々にして炎舞

 おそらく、ニューヨーク辺りに武器を受け渡す仲間が数人いて、ここにいる奴らは仲間からの連絡で指定された武器を運ぶ運搬係だと思われる。

 武器の入手と監視も兼ねているため、受け渡し役より数は多い。

 今や電話やメールの一本でやり取りが出来るご時世だ、この距離でも問題はない。

 そういった意味では厄介になったものだ。

 どこから武器を入手しているんだかと呆れつつ気配を探る。

 定期的に見回りに来るのだろう、さすがに張り付いている者はいないようだ。

 誰もいないのなら好都合だ、坑内を確認してそのままかっぱらおう。

 警戒しつつ炭坑の入り口に向かう。

 泥で汚れた黒い4WDトラックを横目に、崩れないようにと角材で簡単に組まれた入り口から侵入する。

 薄暗がりにペンライトを取り出し、ゆっくりと踏み出した。

「お?」

 奥に進むと、木箱が何段も積み重ねて置かれていた。