戦いに行く訳でもないのだから、ライフルのような長物も必要はないだろう。

 とはいえ、戦闘になった際には応戦しなくてはならない。

 最低限の武器を身につけておく。

 もちろん、地図も忘れてはならない。

 長年染みついた癖とでも言おうか、街ではなんら意味を成さない方位磁針は常にバッグに忍ばせている。

 泉は主に山岳地帯を得意とし、レンジャー能力に優れた傭兵だ。

 ──なのであるが、彼が必要とされる場所はどちらかと言えば邪魔な建造物がある場合だったりする。

 本人もその要請には嬉々として応えてしかるべきである。

 どのようなフィールドにおいても、泉の能力は高く評価されるに値するものだ。