アメリカに戻った泉は治療のため、しばらく入院していた。

 まだ少々、足は引きずるもののこれくらいなら問題はない。

 病院から出て青い空を見上げ、太陽のまぶしさに目を細める。

「もう良いのか」

 待ちこがれた声に振り返り、会えた喜びに思わず抱きしめた。

 手痛い返しがないのは挨拶だと思っているからだろうか。

 間違いでもないがそれだけだと思われているなら残念ではある。

「すまないな」

 治療費も払ってくれたんだろうと親指で病院を示した。

「報酬の一部と思ってくれていい」

「ああ、なるほど」

 そうして、ゆっくりと歩き始めたベリルの後を追う。