桜下に見、往々にして炎舞

「そうだな」

 しれっと言い放ち、サヴィニオの手を撃ち抜く。

 男の手のひらに穴が開き、赤い液体が噴き出した。

 サヴィニオは痛みに醜い唸りを上げる。

 殺す前にいたぶるつもりかと痛みで震える手を押さえて泉を見やるが、すでに銃を降ろしていた。

 こうなってしまっては、以前のような爆弾作りは出来ないだろう。

 後遺症は思っている以上に繊細な作業の妨げとなる。

 引退するんだなとつぶやいて、満足したように背中を向ける。

 ふらついて倒れかけたところをベリルが支えた。

「すまねえな」

 こんな状態じゃなければすぐにも押し倒したいのにと、残念そうにしながらも頬に触れる金の髪に顔が緩んだ。

 抱き心地の良さそうな体についつい寄りかかってしまう。

 されど、ひと回りほどある体格差にもかかわらず顔色一つ変えずに自分を支えて歩いている様子に、どれだけ力持ちなんだよと怖くもなった。