桜下に見、往々にして炎舞

「どこにそんなものを」

 手に収まるサイズの拳銃(ハンドガン)を構えているベリルを睨みつけた。

 しかしふと、ベリルの足元に気がつく。

 この山道を歩くにしては、足首を守るような靴を履いていない。

「そこか」

 そうだ、こいつは「全身凶器」と言われるほど、どこにでも武器を隠し持っていた。

 忘れていた訳じゃない。

 油断した自分にがりりと歯ぎしりした。

 泉は痛む足で立ち上がり、男を見据えてハンドガンを構える。

「俺を殺すか」

 やれよ。愛する叔父の仇だろ。

「どうした。怖いのか」

 下卑た笑みを浮かべて泉を煽る。

 ベリルはその様子をじっと窺っていた。