桜下に見、往々にして炎舞


 とりあえず、持っている装備では心許(こころもと)ないので泉は買い物に出掛ける事にした。

 揃えるのは戦闘のものではなく、山岳においてのものだ。

 かっぱらい目的であるから舗装ないし車で踏み固められた山道を進む訳にはいかない。

 見つからずにたどり着くためには山の中を歩かなければならず、軽く調べたところ思っているよりは険しくないようだ。

 石炭を運ぶため周囲もある程度、なだらかにしたのだろう。

 しかし、使われなくなって久しいため草木が伸び放題なのは確実だ。

 生えている植物の種類はまるで違うものの、ジャングルの丘を想定する事が適切かもしれないと考えた。