それと同時に走り出し、後方からの爆音に目も向けず次の行動を思案した。

 それにしても──

「随分と多いな」

 坑道内の箱は解るとして、どうしてこんな所にまで木箱があちこちに積み上げられている?

 軽く見回して確認すると、不定期に六箱から十箱ほどが二段か三段くらいでまとめられている。

「あん?」

 木箱の隙間から覗くものに眉を寄せた。

 これはコンクリートだ。

「なるほどね」

 相変わらずむかつく野郎だな。

 サヴィニオは初めから泉たちが来ることを想定していた。

 これは盾であると同時に、視界を通さない迷路のようにもなっている。

「やってくれる」

 憎らしげに言い放つと周囲を見回した。