「やべえ!?」

 かすかに聞こえる電子音から逃げるように坑道の入り口に向かう。

 背後から聞こえてくる爆音は泉を追いかけるように近づき、間一髪で外に飛び出し爆発の衝撃を受けて倒れ込む。

「あのやろう」

 痛みに顔を歪めて立ち上がる。

 飛んできた破片であちこちに切り傷が出来たが致命傷は免れたらしい。

 警戒して見回すもサヴィニオの姿は見えない。

 しかし、必ずどこかに隠れているはずだ。

 ここにいては狙い撃ちされる。

 泉は痛む体を引きずるように歩き始めた。