桜下に見、往々にして炎舞

「狙撃は気にするな。侵入者を殺せ。一人いるはずだ」

「え? あ、はい」

 戸惑いながら外に向かう背中に笑みを浮かべる。

 狙撃しているのはベリルだろう。

 その隣でちんたらしているはずがない。

 すでに侵入していると見ていい。

 狙撃場所を考えてみても、ベリルがここに到着するには時間がいる。

「厄介な奴が来る前に潰す」

 口の中で発して組み立て作業を再開した。



 ──泉は、浴びせられる銃弾に木箱を盾にして思案する。

 坑道の入り口まで二十メートルという距離で脚を止められた。