桜下に見、往々にして炎舞

 むやみに攻撃すれば、周りの反勢力組織を刺激してしまうのだから。

 そこはそれ、

「ここには近づくな」とベリルの友人が話を付けていたりする。

 どんな話をつけたのかは、あえて聞いてはいない。

「サヴィニオ」

「なんだ」

 コードや電子機器が散らばる金属製のテーブルで爆弾を組み立てていたサヴィニオが顔を上げる。

「敵だ。狙撃された」

「狙撃?」

 受けた報告にオリーブ色の目を眇めてあごひげをさする。

 モカブラウンの髪にはちらほらと白髪が混じり、彫りの深い顔立ちは今までの体験からなる鋭い存在感と傷跡がいくつか見て取れた。