桜下に見、往々にして炎舞

 舗装された道がある訳じゃない、ベリルの到着はかなり遅くなるだろう。

 一人でサヴィニオと対決するのは避けたいが、慎重に行動していたため夜明けまで間もない。

 残り三人は明るくなる前に倒しておきたい。

 奴のいる坑道の入り口に二人いるはずだ、知らせに行った仲間と合流し迎撃してくる。



 ──坑道の入り口で見張っていた二人の男は、今にも転げそうになって駆けてくる仲間に怪訝な表情を浮かべた。

「い、入れてくれ」

「どうした」

「敵だ。早く」

 それに驚きつつも通れと示し、やはりいぶかしげに顔を見合わせる。

 それも当然だろう。

 敵の襲撃らしい気配はまるでなく、そもそもこんな所まで攻撃に来る人間がいるのかと半ば呆れる。