とはいえ、敵の全てが狙える位置にいる訳じゃない。

 それらは泉が倒していくことになる。

 すっかり茶色い地面を晒している、かつての採掘場所に侵入した泉は息を潜めて気配を探りつつ敷地の把握に努めた。

 ベリルが張っている位置からは狙えない敵を見つけると、音を立てないように近づき背後から首に腕を回して一気に締め上げる。

「何人だ」

<そちらと合わせて六人>

 ヘッドセットから聞こえた声に、あと五人かと辺りを見回す。

 ホルガーがサヴィニオと合流するかと思っていたのだが、言われた事はやったとばかりにさっさと身を隠したようだ。

 抜け目のない奴だと舌打ちし、同時に安心もした。

 奴らが組むと面倒になることは間違いない。