──深夜三時、迷彩服に身を包んだ男は乱雑に積まれた木箱に背中を預け、胸に装着しているライトのわずかな明かりを頼りに煙草(たばこ)に火をつける。

 しかし、風を切る音と共に男は倒れ込み、手からこぼれた煙草は地面にぶつかる瞬間、赤を灯してじわりと消えた。

 オープナーから改めてサヴィニオの仲間は十一人との報告があり、ベリルが遠目で軽く確認したところ、広い敷地のせいでその人数では監視しきれていないことがわかった。

 基本として二人一組での行動となるところが、一人で周囲二十メートルほどを担当しなければならない。

 サヴィニオの計画からいってこれ以上仲間は増やせず、照明を使うことも出来ない。

 そのおかげでこちらも動きやすいというものだ。

 ベリルの放つ銃弾が命中している間は見つかる可能性は薄い。