桜下に見、往々にして炎舞

「なんて言っていた」

「物覚えが早い」

 それに吹き出す。こんなところでつながるなんて考えもしなかった。

「冷静ならば誰にも負けないとも」

 いつか、会ってみたいと思っていたよ。こんな形になるとは思わなかったがね。

 静かに紡がれた声に泉は目を細めた。

 これは叔父の導きだと思いたい。

 そう思うことが今の自分を安定させている。

 そうでなければ、今にも飛び出してしまいそうだ。

 そして失敗して、今度は死ぬかもしれない。

「叔父とは一度も仕事はしなかった」

 泉が一人前になったときには叔父はすでに引退していた。

「皮肉なもんだ」

 引退してから死ぬなんてな。