「ざっと数えて仲間は十人ほどらしい」

 思ったより多いことに泉の眉間には深いしわが刻まれる。

 拓けた場所でないことは願ったりだが、だからこそベリルは仲間を集めなかったのだろう。

 狭く、入り組んだ場所ならば闘い方次第で勝ち目はある。

 数が多いと返って邪魔になり同士討ちしかねない。

 この場合、練度が物を言う。

 そこらの奴に負ける気はしないし、ベリルに至っては自分よりも確実に上だろう。

 もとより、負けるつもりも油断するつもりもない。

「作戦は」

「まず狙撃で数を減らす。ばれたら頑張れ」

「了解した」

 随分と素直な返事にベリルは切れ長の瞳をやや丸くして泉に視線を合わせた。