桜下に見、往々にして炎舞

「見回りのレンジャーなんかいる訳ねえしな」

 隠れ場所としては、まさにうってつけである。

 さらにベリルは一つの地点を指す。

「こちらは採掘中だ」

 それだけで除外出来る。

「じゃあどこだ」

 泉の問いかけに、先ほど示した方とは反対の山を指した。

 ここはすでに掘り尽くされていて誰も近寄らない。

 そしてベリルはオープナーから届けられた写真を数枚、地図の上にばらまく。

「こいつは悲惨だな」

 一枚を手にして泉は同情気味につぶやいた。

 木は切り倒され、山肌が露出している。

 よく見ると、木箱らしきものが幾つも積み上げられていた。