──放置されている滑走路はガタガタであちこちに草が生い茂り、乗組員たちはなんとも酷い着陸を味わった。

 しかし二人はさほど気にする素振りもなく、腕の良いパイロットだと感心すらしていた。

 輸送機から降りるとピリピリとした気配が肌を刺す。

 いつ攻撃されてもおかしくはない状況だが、事前にベリルが話を付けていたようだ。

 一同はそれに、反勢力組織に知り合いでもいるのかと唖然とした。

「彼らと仲の良い知人がいたのでね」

 さすがの顔の広さに感服する。

 ひとまずは安心といったところか。

 とは言うものの、身を隠して取り囲んでいる連中は

「不審な動きを見せればすぐさま殺してやる」という気概を目一杯に放っていた。

 そんなやりづらさのなか、手に入れた中古のジープに荷物を積み込んでいく。