──飛行場から飛び立ってしばらくして機体が安定したことを確認し、着替えを始めたベリルの様子を泉は食い入るように見つめていた。

 サンドカラーの迷彩服にオーダーメイドだろうか、グレーのすっきりとしたタクティカルベストを重ねる。

 肩と太ももに拳銃を仕舞うホルスターを装着し、武器を収納していった。

 すっかり男に戻ったベリルを乗組員たちは残念そうにしていたが、泉は待ちわびていたように目を輝かせる。

 上品な顔立ちと動きにその服装は違和感があってもいいものだが、やはりベリルはしっくりと着こなしていた。

 全身からにじみ出る泥臭さは洗練された兵士のそれであり、「こうでなければな」と泉の口元に笑みを浮かばせる。

 それと共に、いよいよだという実感が湧き上がってくる。