桜下に見、往々にして炎舞

 しかし、さばさばとした性格のためか今まで大きくこじれた事はない。

 それが返って泉の暴走に拍車を掛けているとも言えた。

 転送を終えた泉は険しい表情でデータを眺める。

「ふ……ん。規模はさほどでかくない。これなら一人でもいけるか?」

 どうやら彼が見ているのは、今は使われていないどこかの古い炭坑らしい。

 こういう場所に武器を隠す犯罪集団がいる。

 泉はその武器を横からかっぱらうのである。

 武器の購入費が浮くし犯罪組織の力も奪えておまけに当然だが被害届も出ないので足が付く事もない。

 ついでに体も動かせるしで泉にとっては、まさに理想的な武器調達方法だ。

 やっていることは山賊のようなものだが、対象が一般人ではないところにまずは安心していいだろう。