「協力は惜しまないぜ」

「ありがとう」

 親指を立てて白い歯を見せる男に、別れの挨拶として軽く手を上げ飛行機に向かった。

 輸送機内にはすでに泉がいて、荷物を固定する作業を手伝っている。

 そうして積み込みは終わり、機長と副操縦士が乗り込む。

 スタッフの二人も硬いシートに腰を落とし、カーゴ扉が閉じられた。

 エンジンの音はさらに大きくなり、ゆっくりと滑走路に向かう。

 振動であちこちから色んな音がたち、飛び立つために輸送機の速度はぐんぐんと増していった。

 残された男はベリルたちの武運を祈るべく、暗闇に吸い込まれるように遠ざかる機体をじっと見つめた。