桜下に見、往々にして炎舞

 敷地に入ってもそのまま車を走らせ、滑走路の手前に止まっている二機の飛行機を視界に捉える。

 格納庫に到着し、車から降りると三人の男が二人を迎えた。

「よう」

 そのうちの一人、四十代と見受けられる大柄な男が軽く手を上げる。

 深緑のつなぎと茶色いブーツ、黒い短髪に赤茶色の目は細めだが口は大きい。

「準備は出来てるぜ」

 グレーの小型輸送機を親指で示す。

 この飛行場の責任者といったところか。

 ベリルとは顔なじみらしく、笑顔で握手を交わしている。

 ずんぐりとした機体は後ろのカーゴ扉が降ろされていて、他の二人は車に積まれている荷物を小型輸送機に移す作業を始めた。