「じゃあ頑張ってきてね~」

「勝てる保証はないがな」

 着替えた服とウィッグを気に掛けながら、カーティスが持ってきたバッグを肩に掛けて壁のドアから隣に移る。

 我ながら、弱気な返事をしたと呆れて舌打ちした。

 しかし、今回ばかりは虚勢を張ってもいられなかった。

 いつも自信がある訳じゃない。

 それでも、それなりには成功の道筋というものは見えていた。

 新しいパートナーであると同時に、相手がサヴィニオでは躊躇いもする。

 獲物であるベリルと行動を共にするものの、色気を出してはいられそうもない。

 全てはこの件が片付いてからだと切り替えて、モーテルのドアを開いた。

 少なくともあの時とは違い、一人で闘う訳ではないのだから──