「大丈夫だって。間近にいても絶対に解らないから」

「あんたがやったのか」

「いいや、ベリルは自分で出来る。前に見たことがあるんだよ」

 一体、どんな化け方をするのかと気にはなったが、カーティスがそこまで言うのなら信じるしかない。

「しばらく窮屈だろうが──」

「いいっていいって、俺もあいつ嫌いだし」

 ぶっちめてきてよとヒラヒラ手を振る。

 終始、軽いようにも思えるが根は真面目なのだと、なんとなくは見て取れた。

「あんたらがアメリカから離れる間だけだしね」

 それまで引きこもっているだけだから、すぐにバレても問題はないよ。

 ──確かにそうだ。

 泉たちが向かっているとサヴィニオが知った時は、対策を練るには遅すぎる。