桜下に見、往々にして炎舞

「軽くね。遠目からぱっと見で日本人と思われなければいい程度」

 なるほど、カーティスは多少なりともメイクの経験があるらしい。

 面白い経歴を持っていそうだ。

 カーティスは武器の調達を主な仕事としており、数十人からなる大規模な戦闘では装備品の管理や後方支援を担当する事が多い。

 そうして、慣れないメイクに違和感を覚えつつ、陰影を少し付けるだけで本当に数分で終わった。

「車のキーはこれね。言われたものは積んであるから」

「ありがたい。裏口で待てばいいのか」

「入り口で待ってていいよ」

「あん?」

 あれだけ目立つ容姿をしていて、ホテルの入り口から堂々と出てくるだって?

 易い変装くらいではすぐに見破られるだろうに。

 ぶっちゃけ、サヴィニオはベリルを警戒している。

 状況はこちらよりも深刻だ。