桜下に見、往々にして炎舞

「問題はないと思うよ」

 監視はあんたに集中しているし、俺のことまで注意はしていないだろ。

 ただの客だと思っているさ。

 少しでも顔が隠れるようにって眼鏡をしてきたんだよと言いもって、バッグからメイク道具を取り出す。

 目を守るために普段は昼間にかけているものらしい。

「これくらいの身長差なら気付かれないさ」

 そうは言われても、日本人とアメリカ人では顔立ちだけでなく体型の差も大きい。

「いけるって。あんたガタイもいいし、意外と足も長い」

 日本人にしてはと付け加えて、ベリルの作戦を信用しろってと背中を軽く叩かれた。

 他の方法が思い浮かばない以上、疑っている場合でもないかと肩をすくめる。

「化粧もするのか」

 ベッドに座れと促され、面倒がりながらもそれに従う。