「そうだ。俺たちがやるんだ。やり遂げるんだ!」

 立ち上がり、昂ぶるままに拳を振り上げる。

 彼らはいま、まさに英雄にでもなった気で口元に笑みを浮かべた。

 そのとき──

「逃げて! サツだよ!」

 飛び込んできた女が短い髪を振り乱し叫んだ。

 その女の背後からにゅっと手が伸び、腕を掴むとグイと引き寄せる。

「はいはい、もう終わり。手を上げて」

 ブランドンの言葉と同時に、銃を構えた警官たちが部屋になだれ込む。

「な!? なんだよ!?」

 驚いている間にも、警官たちは抵抗しないようにと銃口を突きつけて無表情に持ち物チェックを開始していった。

「痛いな! 離せよ!」

「お前らの不満をぶつけられる方の身にもなれよな」

 やにわに拘束されて抗議の声を上げる男にブランドンは溜息を吐く。

 泉からの連絡で踏み込んだ訳だが、奴を信じて良かったと室内を見回した。