話も終わり、泉は次の情報まで待機でもしていようかとモーテルに戻る。
サヴィニオについては、ベリルより知ってはいても詳しいという訳じゃない。
追いかけ回していた時期もあったが、そんなことを続けてもいられない。
運命というものがあるのなら、望まなくともいつか再びその姿を現すだろう。
泉はそう思うことで、半ば投げやりに未練を断ち切った。
そんな思念に囚われている俺を、叔父は良くは思わないだろう。
お前らしく生きろと言うだろうが、これもまた俺の意思だ。
「時間があると余計なことを考えちまうな」
頭を抱えて溜息を吐き出す。
解っている、これは時間があるというだけじゃない。
件の人物と対峙するチャンスが再度、訪れたことで感情が高ぶっているせいだ。