「なんなんだよ!?」

 恐怖から、うわずった声をあげ涙も滲む。

 それなりの危険も冒してきた青年だが、こんな経験は初めてだ。

 泉はそんなオーブリーの前に立ち腰を落とす。

「獲物から出向いてやったんだ」

「何!? じゃあお前が──」

「あ?」

「ひぃっ!?」

「怯えさせるな」

 ベリルは泉をなだめ、睨まれて縮こまっているオーブリーを見下ろした。

「依頼主を教えてもらいたい」

「教えられると思うか!?」

 震えながらも半ば叫ぶように答えた。

 一応のプライドというものはあるらしい。