「な、なんだよ、お前ら──!?」
路地裏の一角、へたり込む青年は目の前にいる二人の男を凝視した。
青年の名はオーブリー。
堀が深く健康的な褐色の肌と若草色の瞳、堅めの黒い髪に勝ち気な面持ちをしている。
まだ二十代前半だが「メタリック・ベルズ」のボスだ。
チンピラまがいの集団なれど、それなりに取れている統率は戦闘経験のある者でも相談役に据えているのか。
依頼を受けて送り込んだ仲間が警察に捕まったという報告を路地裏で聞いていたとき、現れた二つの影がそこにいた仲間をあっという間に倒してしまった。
いくらチンピラに毛の生えた集団といえども、自分の護衛として側に置いている人間は幾分かの強さがあればこそ選んでいる。
それが、反撃する間もなく地面につっぷした。
こうも堂々と攻め込まれ、鮮やかなまでの行動にオーブリーは腰を抜かした。