桜下に見、往々にして炎舞

 そのやり取りをまったく意に介さず、ベリルはバッジを眺めた。

 何も言わずに立ち上がり、バッジをポケットに仕舞う。

「おい! ほどけよ!」

 青年たちをそのままにして部屋から出て行くベリルのあとを泉はバックパックを背負い追いかけた。

「悪かったな」

 様子を見に来ていたモーテルの男と目が合い、ついでに今日の分の宿泊費を修理代込みで手渡す。

 青年たちは呼ばれた警察にでも連行されていくだろう。

「解ったのか」

「最近、組織化された集団だ」

 名前は確か「メタリック・ベルズ」──そのバッジには、ベルの模様と「M・B」という文字が刻まれていた。

 泉はそれに、騒がしそうな名前だなと顔をしかめる。

 情報屋に組織の詳細を調べるように要請をかけているベリルを見つめて、泉は次の宿をどうするか思案した。