桜下に見、往々にして炎舞

「何か知ってると思うか?」

「さて、どうだろうね」

「それじゃあ、目が覚めるまでイイことし──なくてもいいです」

 ギロリと睨まれ、両手を肩まで上げる。

 相変わらず隙がないとベリルの背中を見やり、唸っている青年に視線を移した。

「おはようさん」

 ぶっきらぼうに見下ろす泉と、視線を合わせるようにしゃがみ込んでいるベリルを見て目が覚めた青年はギョッとする。

「な、なんだよおまえら」

「それはこっちのセリフだろうが」

 泉は威圧するべく足を踏みしめてダンと音を立てた。

「組織の名は」

「言うわけねえだろ」

 元々、彼らが依頼主を知っているとは考えていない。

 行動部隊はうえからの命令に従っているだけだ。しかれど、依頼した人間は確実に存在する。

 ふと、ベリルは青年の襟元にあるバッジを目にして手に取った。

「返せよ!」

「ちょっとは黙ってろ」

「いてぇ!? くそが!」

 容赦なく泉からゲンコツをお見舞いされ、頭をさすることもできずに低く唸る。