その動きから、訓練されている奴らじゃないと解ったがこの空間でこの人数は不利だ。

 相手が複数である時点で狭かろうが広かろうが不利であることに変わりはない。

 これが訓練されている輩であったなら、確実に泉が不利だったろう。

 それでも勝てる気ではいる。

 ──そのとき、入り口の方から鈍い音と共に悲痛な声があがる。

 暗がりのなかに輝く緑の双眸に泉は口角を吊り上げた。

 突然、新たな敵が現れた事で男たちは戸惑い、慌てて正しい銃の持ち方に変えるものの素早い動きに引鉄を絞れずにいた。

「てめえ!」

 男は銃口を向けたがしかし、両肩を泉とベリルに掴まれて力任せに背中から床に叩きつけられる。

「げはっ!?」

 息も出来ないほどの痛みに悶絶し、そのまま気を失った。