──静かになってから一時間ほど経過した頃だろうか、七つの人影が息を潜めてモーテルに近づく。

 目的の部屋の前にたどり着くと、数人が懐に手を突っ込んだ。

 影は無言で頷きあい、二人がドアを蹴破る。

 獲物が寝ているであろうベッドに銃口を向けて何度も引鉄(ひきがね)を絞った。

 しかし、その手応えのなさにシーツをめくった瞬間、暗闇から足が伸び影の一人を蹴り飛ばした。

 驚いた他の影が引鉄を絞ると窓ガラスが割れて外の明かりが差し込み、部屋が薄暗くなる。

 僅かな光のなか、影は目的の相手を探すも、泉はその間に三人ほどを倒す。

 あと三人と思った矢先に、さらに数人が部屋に駆け込んできた。

「くそ面倒だな」

 仲間の弾が当たるのを避けているのか、男たちは銃口を向けずに銃身を手にした。

 鈍器にするとは、なかなか考えるじゃないかと感心しもって泉はどいつから倒そうかと暗い視界を見回す。