オープナーはそれ以上追うことが出来なかったため、サヴィニオ自身の姿を捉えるまでには至っていない。

 サヴィニオは警戒心の強い男だ。監視している事を悟られないようにと、最低限の追跡に留めている。

「こちらが監視している組織も何かを計画している素振りがある」とベリル。

「へえ。あいつらまだ何かやる気なのか」

 例の組織はやや危険な集団に位置づけられる程度の規模らしく、NY市警の方でもそれなりの監視は続けている。

 爆弾騒ぎはあったものの、彼らが設置したものに大した威力はなかったためだ。

 凝った造りではあったがカウントダウンは爆弾には直接つながれてはおらず、ネットで検索すれば出てくるようなシロモノで、テロリストに憧れた馬鹿どもの集まりだと考えられたのだろう。

 しかし、サヴィニオが裏で絡んでいるとなれば、その見解は正しいものか疑問だ。