離れない。-星空へ込めたあの願い-


*龍也Side*

部活が早く終わったから、まず家に帰って病院に行く準備をした。

「母ちゃん!俺、明日そのまま病院から学校行くから。」

「龍也!待って!」

「なに?」

「梓紗ちゃんのとこにはもう行かないで。」

「え?母ちゃん?何言ってんの。」

「あんたが辛くなるだけよ。難病にかかったらしいじゃない。」

「それが何だよ。俺はアイツの側に居るって決めたんだよ。

今1番辛いのは梓紗なんだよ。」

「側に居るなんて、どうしてそんなこと言ったの!私たちは孫の顔すら見れないじゃない!

別れなさい。今なら、まだ間に合う。」

おかしい。いつもの母ちゃんじゃない。

親父だ。絶対。



「何だよ、さっきから。俺の好きな人は梓紗なんだよ!

孫の顔って、、死ぬなんて誰も言ってねえよ!勝手に決めんなよ。

別れない。俺は梓紗以外愛せない、てか愛さない。」

「龍也!いい加減にしなさい!」

...

「母ちゃん、ごめん。言い過ぎた。

俺知ってるよ。てか気づいたよ。親父から言われたんだろ?

母ちゃんはこんなこと言わないって知ってるから。

ごめん。でも俺は梓紗のとこに行くよ。」

「龍也には何でもばれちゃう。ごめんね。

本当は言いたくなかった。龍也には好きな人を大事にしてほしい。

梓紗ちゃんを守れるのはあんたしか居ないんだから。気を付けてね。」

「うん、ありがとう。いってくる。」

「行ってらっしゃい。これ梓紗ちゃんと食べて。」

「さんきゅ!」

母ちゃんのチョコレートバウムクーヘンと

泊まるための荷物を持って、梓紗の病室まで足を進める。