一番下の紙には、そのレシピまでもが重ねられていた。
…尚叶くん、一見料理が出来るって感じだったのに、実は練習してたとか?
さっき冷蔵庫から取り出した材料も、たまたまあったんじゃなくて実は前もって買っておいたの?
あたしがそう思いながらそのレシピを眺めていると、この状況に耐えられなくなったのか、尚叶くんが再びあたしの傍にやって来て言う。
「まぁ、確かに毎日調べてたけど…。っ…っつか、もういいだろ?それ、返してよ」
「いや、ダメだよ早いよ!まずは、これがどういうことなのか知りたい、」
「知りたいって、ここまでくればもうわかるだろって」
「わかんないよ!はっきり言ってよ、はっきり!今日はあたし、尚叶くんのことがもっと知りたくてここに来てるんだから!」
あたしはそう言うと、紙を奪い返そうとする尚叶くんから、その紙を遠ざける。
一方、あたしのそんな言葉を聞いて、少しだけその場に固まる尚叶くん。
でも…やがて小さくため息を吐くと、困ったように頭を掻いて言った。
「……わかったよ」
「…」
そう言って、半ばあきらめたように、傍にあるソファーにぼすん、と座る。
そんな尚叶くんの次の言葉を待っていると、やがて尚叶くんが言葉を続けて言った。
「俺は………」

