【完】ある日、恋人を購入した。


「…ふー、」

「…なに満足げになってんの」



切ったことに少しだけ安心していると、それを見ていたらしい尚叶くんにすかさずそう言われた。

見られたことに恥ずかしさを覚えつつ、でも満足げになっていたことは事実だからあまり言い返せない。



「…ピーマン切るのに緊張しちゃって」

「え、何で。…あー、麺類にピーマンって使わないもんな」

「そうそう」



あたしの言葉に、尚叶くんがそう言って少し笑ってくれる。

…クール、でもよく笑ってくれる人…なのかな?

そう言えば、思ってたよりも表情豊かだった気が…。


あたしがそう思いつつ、思わず隣からじーっと手を止めて尚叶くんを見つめていると…

そのうちにその視線に気が付いた尚叶くんが、あたしの方を見て言った。



「…なに」



そう言って、不機嫌そうに目を細めるけれど、でも気のせいか顔が少し赤い。



「んーん。何でもない」